ブロガーから見た「河童×コッペリア」稽古場日誌 Vol.3
【前回までのあらすじ】
27歳男性は未だに弟の生殺与奪をキャンディ江口氏に握られたままです。
どうも、両目洞窟人間(27歳男性)です。
27歳男性は芥川龍之介の河童のことを調べ上げていい気になっていました。
ふふふん。いやー、一時期はどうなることかと思いましたが、なんとかなりましたわ。へへへ。
とばかりにいたのですが、そういえばキャンディ江口氏が今回作る作品は河童ともう一つの作品を掛け合わせたものであることを思い出したのです。
コッペリア。
おう。わし、この作品知らへん。
知らない=弟の生殺与奪が……。
つまりは調べなければいけない。
血の気が一気にひいていき、気がつけばスマホを握っていたのでした。
元来の学のなさによりコッペリアというものが何なのか分からなかった私は、スマホでぺぺぺぺと検索すると、原作は「あるバレエ作品」だということに行き着きました。
コッペリアは元は喜劇風味のバレエだったそうで、初演は1860年。えらい昔やね。
風変わりな博士が作った機械人形に恋をしてしまう青年の物語。
そして、風変わりな博士はその青年を利用して、機械人形に命を吹き込もうとするんだそうです。
へー。と思っていたらそんなおりにです。
いくつかニュースが飛び込んできました。
からくりサーカスのアニメ化。これたしか人形の話だ。
とまずががーんとなり、友人からLINEが届いて、何かとみていると「八王子の美術館で行われているというからくり人形の展示」の案内で、うおうお繋がっていると衝撃をうけ、
たまたま実家に帰ったところ、物置から坂本龍一の「未来派野郎」というレコードを見つけてしまい、こともあろうにそのレコードを流してしまいました。
3曲目に流れるのは「バレエ・メカニック」。
最初期の実験映画を元に作られた楽曲。物を言わぬ機械のダンスを元に作られた音楽。
ねじまきの音、シンセサイザー、悲しげで美しいピアノが聞こえて歌声が聞こえる。
機械は永遠に続く音楽の始まりと終わりの中で踊り続ける。
踊っている僕は君を見ている。
機械仕掛けのように精密に構成されたメロディを打ち破る激情の塊のようなギターソロの音色が聞こえて音楽が終わる。
まるで命を持たぬ機械の決められた動きによるダンスと、その中に秘めたる激情を表現したかのような音楽にうぉうぉうおぉ~と叫ぶしか無かったのでした。
これは全てがつながっているのではないのかと、そんなパラノイアが私を支配し始めました。
気がつけばこの世は大機械人形時代!
機械人形が溢れまくっていたのでした。
キャンディ江口氏は現実をゆがめる能力(スタンド)を持っていて、全てはキャンディプロジェクトの新作に至る道を作り上げているのでは?
なんてことでしょう。おそろしいです。
しかし、キャンディ江口氏は毛色の違う二種類の物語、「河童」と「コッペリア」を掛け合わせて何を作ろうとしているのでしょうか?
当然ながら「河童」の中に機械人形は出てきません。
「コッペリア」の中に河童は出てきません。
その二つを掛け合わせることで何を語ろうとしているのか?
ふとキャンディ江口氏が語っていた言葉を思い出します。
「河童とコッペリアの翻案」
きゅるるうると脳内で巻き戻して「翻案」という単語に注目をする。
「翻案」を行うとはどういうことなのか?
次は、それを考えてみたいと思います。
全てはキャンディ江口氏の真意をはかるために。
(つづく)
文章:両目洞窟人間
雑文系ブロガー。映画、演劇、本、音楽から、独創的な妄想まで。
ブログ:にゃんこのいけにえ
2018年3月20日