出演者紹介20 たにかわはる

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「交響劇 河童×コッペリア」に出演していただく役者の皆さんは、座組の中でどう見られているのか!?
他己紹介形式でお送りする「出演者紹介」。第二十回は、たにかわはるさんをご紹介します!
今回の紹介文はフーさんによるものです。

 

【お名前】
たにかわはる

【今回の役】
諏訪 新菜(すわ にいな):主人公・翼の恋人。同棲中で、結婚を意識し始めている。

【紹介文】
たにかわはるさんは、主人公つばさの恋人、新菜を演じます。
あらすじを読んでいただけた方は知っていると思うのですが、つばさは河童の国に迷い込むことになります 。
河童たちの世界は享楽的で、極端で、ある種ファンタジーな世界。
その夢のような世界と、現実との間で つばさは彷徨い揺れるのですが、新菜は、現実のほうの楔となる存在です。

いちいちキャラクターが強く単純な河童たちに対して、新菜はただの人間。
けれど、はるさんが演じられることで、芯の強い魅力的な女性として舞台の上に立ち上がってきます。

【好きな台詞】
つばさへの想い、翻弄される気持ち 、強く決めた意志、色んな感情が入り乱れながらも、しっかりとした口調で彼女は言うのです。
「時々理屈に合わないことをするのが人間なんですよ」

【演出・キャンディ江口から一言】
はるちゃんとの出会いは、キャンディプロジェクトで『熱海殺人事件 売春捜査官』を上演した時のことでした。主演女優が急きょ降板したため、代役を探していたところ知人から紹介。過去には京都学生演劇祭において、つかこうへい作品で主演女優賞をとるなど、つか作品のエキスパートとのふれこみでした。僕はそれ以降、彼女の芝居に惚れ込み、僕が主催する公演はすべて彼女に出演していただいています。
彼女の良さは、「舞台上で究極的に人間であり続けられる」ことです。僕は今まで出会ってきた役者の中で、彼女ほど舞台の上で「人間」であり続けられる人を知りません。ただ自然な芝居なだけでなく、ただ感情的なだけでなく、彼女の芝居は「本物」です。僕は彼女にもっともっと売れてほしいと思っています。本当に最大級の賛辞の言葉と共に、もっと皆の目に触れる女優であってほしいと強く思っています。
今回は主人公の恋人、新菜を演じています。彼女は「現実」の象徴です。翼にとって、「河童の国という夢の世界」の反対側にいる人物です。そして、芥川が自殺するほどの心境で書いた『河童』を翻案するうえで、その絶望の中に垂れされた一筋の「蜘蛛の糸」でもあります。僕は演出というよりも一人の観客として、本番での彼女の芝居が楽しみでなりません。

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