出演者紹介19 タロー

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「交響劇 河童×コッペリア」に出演していただく役者の皆さんは、座組の中でどう見られているのか!?
他己紹介形式でお送りする「出演者紹介」。第十九回は、タローさんをご紹介します!
今回の紹介文はキャンディ江口によるものです。

 

【お名前】
タロー

【今回の役】
コッペリウス博士:河童の世界に長くとどまる人間。コッペリアの生みの親。気が触れかけている。

【紹介文】
どうも、キャンディ江口です。
僕がご紹介するのは、演出助手にして準主役コッペリウス博士を演じるタローくんです。

コッペリウス博士は、謎多き人物です。
コッペリアのライブ会場に現れたかと思えば、河童の国では激烈に忌み嫌われ、彼の屋敷からは夜な夜な「カンカンカンカン」と金槌を振るう音が聞こえてきます。
出来れば近づきたくない人物。しかし、その傍にはいつもコッペリアがいます。
そうなれば、いてもたってもいられないのが、コッペリアの熱烈なファンである主人公・翼。
おっかなびっくり博士に近づいていくのですが、そこで……

本作は、序盤・中盤・終盤と各キャラクターの印象が変わっていく作品になっているのですが、その中でも難しい変遷を描くのが博士。
その難しい役どころを任せられるのは、信頼するタローくんしかいないでしょう。
今回、彼とはかなり長時間、役作りの議論を行いました。
僕も迷い、彼も迷い、ひねり出すように生み出されたのが、今回タローくんの演じるコッペリウス博士です。

原作のバレエ「コッペリア」においても、コッペリウス博士の描かれ方は演出家によってかなり違います。
能天気に描かれたり、モンスターのように描かれたり、哀れに描かれたり。
本作において、どのような博士が作り上げられたか、ぜひご覧いただきたいと存じます。

【好きな台詞】
「ぼんやりとした不安が、消えることはないのか」
芥川の『河童』とバレエ『コッペリア』を繋ぐ一つのラインが、博士が口にするこの呟きです。
劇中、この台詞は二度登場するのですが、捉えられ方が劇的に変わる構造となっています。
そのあたりもお楽しみいただければ幸いです。

【演出・キャンディ江口からもう一言】
タローくんとの出会いは、今回出演している小松の結婚式二次会にてでした。京都学生演劇界でしのぎを削っていたころから、お互いの名前は知っていましたが会って話すのはこの時が初めて。演劇について語り合ううちに、共に芝居を作る仲となりました。僕にとって、とても大きな出会いです。
彼の良さは「インテリジェンスを芝居に活かせる」という部分でしょうか。俳優は、脚本や演出家の言葉から正確に意図を読み取り、それを自らの芝居に反映させなければなりません。基本的なことですが、これがとても難しい。彼は僕の意図を丹念にくみ取り、それを芝居全体に活かすことができます。しかも美しい立ち振る舞いと共に。
今回は、難解なコッペリウス博士という役に挑戦していただいています。上で色々書きましたので、もう多くは語りませんが、ここまで役が膨らむとは当初想像していませんでした。タローくんの努力に感謝しつつ、本番を楽しみにしています。

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